不眠症と周囲の目
不眠症は辛いものです。これは体験した人にしかわからない辛さです。周囲の人や家族と、この点ですれ違いや溝ができてしまわないようにお互いに言葉を尽くしましょう。
仕事や受験で一日か二日の徹夜を経験した人はいるでしょう。その辛さと少し違う部分は「自分から選んだ徹夜の後はよく眠れる」という違いです。普通は多少緊張していても神経が高ぶっていても二日眠らなかったら、その後はすぐに就寝できます。
<!–more–>当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、不眠症の辛さが体験者にしか理解できない部分がここです。不眠症の人は眠りたいのに眠れない(もしくは眠くならない)のです。その状態が数日続くのです。
不眠症がよく理解できない周囲の人は、こう考えます。「眠れないんだったら好都合だから起きていればいいじゃないか」こう言われると身も蓋もありません。確かに一日程度の軽い不眠症であれば、そういうことが可能です。
もしくは「眠れなくても横になって体を休めるだけでいいじゃないか」と考えるかもしれません。これも確かに無いよりはマシです。肉体的な疲労は多少軽減することができます。
ですが、いくら眠くならないからと何日も起きていたらどういうことが起こるでしょうか。人間の眠りは必要だから存在するわけです。単に体を休めるだけだったら何も意識を失ったり夢を見たりする必要はないわけです。
ずっと眠らないことは精神に大変な悪影響を及ぼします。昔から拷問の手段として「眠らせない」方法があるほどです。酷い場合には精神に異常をきたしてしまいます。
本当は周囲の人達にきちんと本人が説明することが望ましいのですが、眠れないことが続くと本人も精神的に追い込まれています。要領を得なかったり、感情的になっていたり上手く伝えることができません。
周囲の人、特に家族は不眠の状態を改善することが難しく、どれほど辛いものなのか、よく理解してあげてください。それには症状や悩みを聞いてあげることが一番です。
不眠症で眠れない日々が続くとそれだけでプレッシャーなのですが、さらに「その辛さを誰もわかってくれない」ということになると本人の新たなストレスの元になってしまいます。
まず「どれほど体がきつい状態なのか」「精神的につらいのか」「何日ぐらい眠れないのか」「何か不安や悩みはないか」少しずつ聞いてあげてください。自分からは話さない我慢強い人ほど症状も酷くなるということをお忘れなく。