眠りとは

睡眠障害、不眠症に悩む人は多いのですが、その症状と深刻さは人それぞれです。よく不眠の悩みが人にわかってもらえないという場面に遭遇しますが、それも人の眠りが千差万別なことにも原因があるでしょう。

眠り

睡眠とは何かの定義は医学的、生物学的、心理学的、一般常識的で全然違うものです。様々な本やテキストでも、その定義の違いが災いして自分の先入観で読むと混乱してしまうかもしれません。ただ不眠で悩む場合は、それは医学的な問題を指しているのだと思います。

横になっているだけが眠りではなく、意識があっても眠りと呼ぶ場合がある。境界が不明瞭で、いざ定義しようと思うと難しいものですが、要するに起きている状態以外を眠りと呼んでも大きく外れてはいないでしょう。ですが医学的、生物学的に考えていくと「心身のバランスの維持のために必要な休息」だと思ってもらえば大丈夫です。

長い期間で考えて、自分では眠っているつもりでも、どんどんやつれてゲッソリ体調を崩すようだったらそれは眠っていないのです。逆に眠れないと思っていても何の影響も出ないのであれば眠れている、ということです。

睡眠障害

では眠れないとはどういうことか?いろいろ原因がありますがおおざっぱに分けると

自分以外の原因で眠れない
単に仕事が忙しくて寝る暇がなかった、夜中に隣から聞こえる音で眠れない
子どもに何度も起こされた、等はその原因をなんとかするしかありません
逆に自分には原因がない場合です

体の問題で眠れない
病気や怪我の痛みで眠れない、前の日に寝過ぎてしまい眠れない
これは深刻なことからそうでないことまで含んでいます
原因も取り除くことができるもの、そうでないものがあります
そして次の心の問題と密接に関わっています

心の問題で眠れない
ストレスで眠れない、緊張して眠れない、原因がないのに眠れない
これは単純に体の問題とわけて考えることが難しいものです
同じ病気でも眠れる人もいれば眠れない人もいます

あくまでおおざっぱな分類ですが、これを総合して考えなければならないのが睡眠の難しいところです。仕事で寝る時間を削っていたら体に疲労がたまって次の日の仕事に差し支えないか心配で眠れない、ということは普通に体験されることでしょう。

眠りの質

医学的には体に異常をきたさない程度の睡眠が確保できればいいのですが、人間はなるべくならグッスリと満足感の得られる睡眠をとりたいと思うものです。心因性の不眠を長期体験した人であれば、一度の安眠がどれほど得難い羨望の対象であるかわかるでしょう。

そうです。眠りの内容にも差があるのです。少し下世話な表現をするならば栄養の観点とは別に料理に美味しい不味いがあるようなものです。生まれてこのかた満足いく睡眠をとったことのない、という人は少ないでしょうが(ごく希にそういう症状の人もいます)毎日欠かさず快眠、安眠できる人というのも少ないものです。一人の人間の中でも睡眠内容は毎日変化するからです。

このように眠りとは何かを考えただけでも複雑になりとらえどころのないものですが、眠りにつくノウハウを考える場合、単に「生活に支障をきたさない程度に眠る」ことだけでなく、快適に満足感が得られる睡眠を目指すようにしたいものです。