新年度、新生活のメンタルケアの注意点


3月も終わりに近づくと身の回りに変化がおとずれ、生活パターンが大きく変わる人も多いかと思います。

今回は肉体以上に調子を崩しやすい心の「新生活のメンタルケアの注意点」を取り上げていきます。

年度ごとの環境の変化に適応するために

進学や就職、別部署への異動や転勤など、年度の切れ目は自分を取り巻く環境が大きく変わる時期です。自分自身だけでなく、家族や職場の同僚が出ていき入ってくることで、多くの人が4月に環境の変化を感じることでしょう。

また「自分の所属」の変化だけでなく、それに伴って引っ越しや部屋の移動、一人暮しや家族構成の変化など、住環境や生活自体も大きく変わっていくことでしょう。

自分の周囲が望むと望まないにかかわらず、勢いよく短期間に大きく変わるのが新年度の変化の特徴です。大事なことはできるだけ流されず、自分の意思で変化をコントロールすることです。

進学や転勤、異動など大きな事をコントロールするのは難しいでしょうが、住む部屋や通る道、新生活のための服や小物の選択、自分の意思で選んで変えられる部分は多いものです。

これを周囲に流されるまま、なんとなく生活のスタイルが固まってしまうと、その時点では楽ですが、後になって無力感や圧迫感を感じる元になります。

「今の自分の生活は自分が選んだ結果」と心のどこかで思えないと、それが精神的なストレスの元になり、後から覆すのが難しいのです。

日中の仕事や学業の変化についていく

自分が所属する職場や家庭、クラスや部署が変わるのに伴って、そこでやること、やらなければならないことも変化します。

学業は難しくなり専門性を深め、仕事は責任が増え今までやっていたことが「できて当然」に変わります。

ほとんどの人にとって年度が代わることは「要求される事が難しくなる」ストレスが増えることを意味しているでしょう。

考えるだけで気が重くなりますが、まずは冷静に「今年度の終わりまでに何が出来るようになればいいか」を考えるようにしてください。

いきなり4月1日から急に能力がアップできるわけでもなく、周囲の要求も(もちろん叱責、苦情、指導などはあるでしょうが)完璧を求めているわけではないのです。

「できる」ではなく「できるようになっていく」自分をイメージして、目の前の課題に押しつぶされないようにしましょう。

人間関係の変化

残念なことに、世の中は善人やあなたに優しい人ばかりで構成されているわけではありません。新年度の人事異動では「仲の良い人との別れ」「嫌な人との出会い」が待っているかもしれません。(もちろん逆のことを期待したいですが)

仲が良い人、尊敬する人、話が合う人との別れは寂しいものですが、できるだけ連絡先を聞いて「また連絡します、してもいいですか?」と確認をとっておきたいものです。

慌ただしく環境が変わり落ちつかず軽くパニック状態に陥った時に、環境が安定していた頃の知り合いの声を聞くのは嬉しいものです。実際に連絡しなくても寂しい時、悲しい時に「いつでも連絡できる」と思うことが深い安心感に繋がるのです。

また嫌な人、相性の合わない人との付き合いですが「無理して好きにならなくてもいい」ということを忘れないでください。人付き合いには「親しいフリをする」「当たり障り無く対応する」という選択肢もあります。

簡単に「相手も自分を嫌っているだろう」と思い込まないようにしたいものです。あなたから見て不快に見える態度は相手なりのジョークや挨拶かもしれません。照れ隠しやツンデレな態度なのかもしれません。(もちろんセクハラやパワハラに近いものは別問題ですが)

この時期に特有の問題で「よく知らない相手、情報のない人」との付き合いは距離感が難しいものですね。ですがそれは相手もほぼ同じ条件です。

初対面や付き合いが浅い人との関係作りに、神経が磨り減ることもあるでしょう。ですが急がないでゆっくりと関係を作るようにしてください。人間関係の構築には時間がかかることを、あらかじめ覚悟してください。

強制される変化は最小限に、自発的な変化は最大に

どうしようもない変更できない環境の変化はできるだけ小さくしたいものです。ですが自分でコントロールできる変化は自分の好みを最優先してください。

新生活という言葉には本来プラスのイメージも多いものです。新しい趣味を始めたい。新居に新しい家具を揃えたい。新しい街で新しい活動の場所を探したい。

周囲や自分以外の変化に付き合わされるだけではなく、あなたが自分の意思で選び取ったものがどれだけ多いかで、この春のイメージが良くも悪くも変化します。

朝食を和食から洋食へ、歯磨き粉を変えてみる、読んだことのないジャンルの本を買ってみる、散歩やジョギングをはじめてみる。生活の中で自分の意思で変えられることは多いものです。

どうぞ流されるだけでなく、自分の生活を自分で造りあげる気分を忘れないでください。

1日のリズムを整える

住環境や日中の行動が変われば、1日の流れも大きく変化します。起床時間から就寝時間まで、食事の時間、余暇に取れる時間帯、通勤通学の手段や経路など。

まずは自分の生活を俯瞰で眺めてみて、1日の流れを考えてみましょう。何時に起きて何時に寝るのか、1日の計画表です。

生活が変わったばかりなので、まだまだ「仮」でかまいません。これからドンドン変更していってかまわないのですが、最初に「あぁ自分の生活はこう変化したんだな」と客観的に見ることが肝心なのです。

よく「文化祭の前日のような気分」という言い方をしますが、生活リズムの基本パターンが決まっていないと、いつまでも「非日常」「特別な時期」「緊急事態」という気分が抜けません。

ずっと「何かをやらなければならない気分」「急かされている感覚」「今だけは特別」が続けば心理的なストレスはどんどん貯まっていきます。できるだけ早く生活リズムを整えるようにしてみましょう。

睡眠時間を確保する

ストレス解消や精神面の安定のために一番大事なことが睡眠です。もちろん食事や趣味も大事ですが、1日の流れは睡眠時間の確保を重視して作ってください。

「枕が変わると眠れない」という言葉がありますが、この時期は枕どころか寝具やベッド、部屋や住居まで変わる機会があります。睡眠不足にならないようにしたいものです。

自分好みの枕や布団に変更するも良し、今までのものを使い続けるも良し、自分の自由な選択で決めたいところですが、一つ忘れがちなことがあります。季節感です。

年度またぎで生活が変化する方は、たいてい2~3月を大変忙しく過ごしています。そして新年度の変化に振りまわされてドタバタしている間に、季節や気温は大きく変化していくのです。

徐々に季節に合わせたいものですが、中には真冬のままの寝具や暖房設定で「なんだか寝苦しい」「過ごしにくい」と過ごしてしまう人もいます。

大きな変化の前に、目の前の小さな変化を忘れがちになりますが、最適な布団とパジャマで安眠を確保するようにしてください。

簡単なストレス解消の方法

簡単にすぐできるストレス解消法をまとめてみました。少し心が疲れてきたと感じたら好きなものから試してみてください。

心を動かす、感動する、大笑いする
テレビのお笑い番組、映画に行く、音楽を聴く、アニメや漫画、テレビゲーム、小説や画集、写真集

出かける、気分を変える
窓から外を見る、自然の風景にふれる、近所を散歩、公園に行く、通ったことがない道を通る、野山や海へ

運動する、身体を動かす
ウォーキング、ジョギング、サイクリング、縄跳び、腕立て伏せや腹筋、ラジオ体操、ストレッチ、ダーツ、けん玉、ヨーヨー、お好きなスポーツを

食べる、飲む、嗜好品
外食や贅沢品、自分の好物、お菓子、食べたことのないフルーツやスイーツ、入ったことのない店での食事、お酒やコーヒー、日本茶、紅茶、タバコやお香、アロマオイル、ハーブ

この他にも部屋の片付けや瞑想、カラオケや電話でのおしゃべりなど、心が疲れた時には様々な選択肢があることを忘れないでください。

上手に気分転換することで生活や環境の変化を乗り切りましょう。

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