抗精神病薬副作用「高プロラクチン血症」のリスク解明

【陽電子断層撮像装置による脳機能研究】
抗精神病薬副作用「高プロラクチン血症」のリスク解明
-副作用を回避しながら統合失調症を治療する指標を開発

陽電子断層撮像装置(PET)と高性能PETプローブを用いて、統合失調症治療に不可欠な抗精神病薬の主な副作用であり、無月経、排卵抑制などに関連する高プロラクチン血症が、下垂体ドーパミンD2受容体遮断作用により引き起こされることを、世界で初めて明らかにしました。

また、抗精神病薬ごとに高プロラクチン血症のリスクが異なることを調べ、リスクを予測する指標を示しました。これまで確認されていなかった抗精神病薬と高プロラクチン血症の関係を人の脳をイメージングすることで証明した世界で初めての画期的な成果です。薬の副作用を回避しながら統合失調症を治療する上で重要な指標とすることができ、今後、分子イメージングによる適切な服薬量設定や合理的な薬物療法など、臨床現場において役立つものと期待されます。

http://www.nirs.go.jp/news/press/2009/02_23.shtml

放医研からの発表より引用しました。

一般の方には直接の関係はないのですが、現在まで数々の抗精神病薬などの治療薬が開発されていますが、一部を除いて何故効いているのか?どのように作用しているのか?厳密な測定結果と指標がありませんでした。

もちろん経験的に効く薬はわかっていますし「おそらくこうだろう」という仮説は沢山ありますが、今回のように具体的に微量データを測定して証拠が出ることで、薬の作用と同時に副作用を高い精度で防ぐことが可能になるようです。

分子イメージングの分野での研究が進むことでアルツハイマー病や統合失調症、うつ病といった脳や心の病気、その治療の過程で体内で何が起こっているのかを今までよりはるかに正確に知ることができるようになりそうです。