熟眠障害の原因と対策

寝つきも問題ないし睡眠時間は取れているはずなのに、なぜか起きてからも疲れが取れていない、満足感がないことはありませんか?

眠りにとって大切なのは質と量です。睡眠時間を延ばせても睡眠の質が伴っていなければ、それは体が必要としている睡眠にはなりません。

ですので、普通は一、二日このような状態になっても、体が自動調節して次の睡眠ではグッスリと眠れるはずです。ですが、その調節機能が上手く働かなかったり、他の要因で眠りが浅くなることが長期間(数週間~一か月以上)続くようなことを熟眠障害と言います。

中途覚醒(夜中に途中で何度も目が覚める)が原因で熟睡できないことが多いのですが、それはまた別の分類として中途覚醒で扱います。

それ以外で朝まで寝ているはずなのに熟睡、安眠できないという場合には、心理的ストレスや不安感が原因の他の睡眠障害と違って、生活環境や寝具が直接影響していることが多いものです。

窓の外の自動車や電車の音、道路工事や生活音、騒音公害、振動などはありませんか?

近頃、生活環境の急激な変化(転勤、引っ越し、就職、結婚など)はありませんか?

枕や布団、ベッドはあなた個人にあっていますか?季節にあっていますか?

寝室の明かり(光量)や湿度(加湿、除湿)、温度(暖房、冷房)は最適ですか?

また希にパジャマやシーツ、枕カバーが清潔でなかった、睡眠不足のストレスで風呂に入る元気が無く不快感から益々眠りが浅くなっていた、等の「清潔感の不足」が重要な要素になることもあります。

騒音や振動は遮音カーテンやベッド足に防振ゴムを敷くことで改善することもあります。

また寝ている間に他の騒音が気にならないように音楽CD等を一定の音量でかけ続ける方法もあります。心音舎では睡眠専用の音楽を開発、販売しております。睡眠中に他の音が気になる時には是非試してみてください。

寝具は様々な物がありますし、最近は新素材で枕や敷きパットなどが改良されたりもしています。また掛け布団やマットレス等は長年使っているとの経年劣化で快適さが失われることもあります。長らく同じ寝具を使い続けている方は他の物を試してみるのも良いでしょう。

また布団やシーツ、部屋の温度や湿度は季節によって快適なレベルが毎日のように変わります。クーラー、ヒーター、ドライなど健康を損なわないように、部屋をコントロールしたり、天日干しや布団乾燥機などで寝具の湿気をとることも重要です。

上記のことに充分気をつけても睡眠が改善しない、熟睡考えられない場合は、少し注意が必要です。

一番心配なのは睡眠時無呼吸症候群(SAS)です。つまり他の疾病のおかげでグッスリ眠れていない、という可能性です。睡眠時無呼吸症候群は重度になればそれこと命に関わることもあり、そうでなくても日中に急な眠気に襲われたり生活に支障をきたすことがあります。

また他の自分では気づいていない原因があるのかもしれません。酷い歯ぎしり、いびき、寝言、寝相の悪さ、金縛り(睡眠麻酔)、夢遊病に近いものまで、他人に指摘されるまで全く本人が気づいていないこともあるのです。

生活環境や自己流での眠りの改善に効果が見られない時には、一度家族や他の人に自分の眠りをチェックしてもらったり、医療機関を受診して相談してみることも検討してください。