早朝覚醒の原因と対策

以前に比べて朝早く起きてしまうようになった、ということはありませんか?
明け方に一度起きて二度寝しようとする習慣ができたりしていませんか?

朝早く目覚めすぎたり、二度寝しようとしてもウトウトするだけで熟睡感がなかったり、このような状態を早朝覚醒といいます。

老人性早朝覚醒

早朝覚醒には二つのパターンがあり、一つは老人性早朝覚醒です。お年寄りは朝が早いイメージがあると思いますが、睡眠の傾向自体は三十代後半~四十代前半で切り替わりが見られます。

「睡眠パターンが早起きになるのは、もっと歳をとってから」と思っていると実際の体の変化に戸惑って深刻に感じる人もいます。ですが日中に眠気が酷かったり、生活に支障をきたすようなことがなければ問題ありません。早く目が覚めてしまえば、無理に再入眠しようとせず、そのまま一日を始めてもいいのです。

加齢に伴って睡眠力は落ちていきます。メラトニンの分泌も抑えられ、眠りが全般的に浅くなるため中途覚醒や早朝覚醒が起こりやすいのです。他の睡眠障害と違い、ある程度の年齢で熟睡感さえあれば特に治療の必要もなく、睡眠障害に分類しないケースも多いです。

うつ病

老人性早朝覚醒以外のもう一つのパターンには注意が必要です。それは「うつ病」の症状として現れます。

うつ病として軽い段階だと、本人も病気だという自覚症状がないままで、どんどん睡眠状況が変化するため、睡眠不足と気分の上下動で混乱してしまいます。

うつ病の場合は、起きる時間が早くなっていく以外にも、中途覚醒、入眠障害など睡眠そのものが不規則になるため、日常のパターンが崩れやすくなり、生活に支障をきたすことが多いものです。

日中に体を動かしたり、日の光をきちんと浴びたり、精神的なストレスを軽減する、睡眠の環境を整える方法で改善する場合もあります。

ですが断続的に不規則な眠りに悩まされる場合、気分の変調、落ち込み、等の問題がある場合は、できるだけ早く医療機関を受診して、専門医に相談することを検討してください。