入眠前の軽い運動は効果があるの?


「ベッドに入る前、ベッドの上で運動をすることが効果的」という話を聞いたことがあるでしょうが、これには幾つかの誤解が含まれています。

運動というよりは軽いストレッチを行ってください。やりかたを間違えると睡眠から遠ざかってしまうので注意しましょう。

ダイエット中の誤解

まず第一の誤解は「睡眠のために運動する」ことと「ダイエットのために運動する」ことの区別がついていないことです。よく眠ることと痩せることは、どちらも「体によさそう」なイメージですから同じ方法や理屈でいいのだろうという思ってしまうわけです。

ですが残念ながらダイエットに効果的な運動は睡眠にとって逆効果です。ダイエットというのは大なり小なり「体に負担(負荷)を与えてカロリーを消費する」ものです。体を休めることからは遠ざかってしまうわけです。

寝る前にダイエット運動をすることは、最近ではダイエット自体についてもあまり良い影響がないと言われています。これは夜中に逆にお腹が空いて間食してしまったり、夜間を不必要な空腹状態で過ごしてしまうために朝食を取りすぎることが理由です。

本来は「寝る前に運動しましょう」というのは、それが一日の時間の中で「毎日の習慣にしやすい時間だから」「一日の最後に余る時間を有効利用しよう」という理由からです。「眠る前」ということ自体には意味がないわけです。

寝る直前にカロリーを消費するような運動をすれば、少なくとも「心地よい眠り」とは逆の行為になってしまいます。ダイエット中で様々な方法を試している人は注意しましょう。

運動という言葉の誤解

「体が疲れれば眠りやすくなるだろう」というのは正しい理解ですが、これは状況によります。もちろんグッタリ疲労した後は、長時間の眠りで疲れを取るように体ができています。クタクタに疲れた一日の終わりにベッドに倒れ込むように眠る経験をした人も多いでしょう。

ですが想像してみてください。マラソンを走りきった直後に居眠りするランナーはいません。疲れるような運動の途中には眠気は飛んでしまいます。体の疲労と眠気には時間差があるのです。

夜に快眠することを目指して日中に運動することは良いことです。酷い筋肉痛や体の故障を伴わなければ大いにやって結構です。ただ「今から寝よう」「すぐ眠りたい」という理由で激しい運動をすることは完全に逆効果です。

「運動」という言葉から寝る前に腕立て伏せや腹筋、ジョギングまで行う人がいますが、これは「体を鍛える」ことには効果があるかもしれませんが、睡眠にとっては有害です。トレーニングと睡眠のための運動は別のものだと思ってください。

運動のデメリット

運動のしすぎで目が冴えてしまった経験は誰にもあるでしょう。「眠気覚ましに運動する」という言葉もあるくらいです。これには幾つかの理由があります。

人間の体温は微弱ですが上がったり下がったりしています。ベッドに入って体が冷えていくのを感じる人も多いでしょう。逆にあまりポカポカな布団だと寝付けなかったりしませんか?

これと同じで運動で体温が上昇すれば、下がるまでのしばらくの間は眠りにくくなるのです。ダイエットやトレーニングの目的で激しい運動をする人は、少なくとも眠る2~3時間前までに終わらせるようにしてください。

また運動することで脈拍が早くなり呼吸も荒くなります。体はそれが治まるまで眠ることを許してくれません。精神的にも緊張が高まり睡眠にとっては良くないことになります。

体をほぐす

体のこりや痛みに悩まされている人は多いと思います。これは睡眠にとって悪影響を与えます。できれば取り除いておきたいものです。

人は日常生活の中では使っていない筋や関節が意外とあるものです。それをほぐしてあげることで、肩こりや腰痛を改善することができます。

また筋を伸ばしたり軽く体を動かしたりすることで精神的な満足感や達成感は得ることができます。これも精神の安定につながり、眠りへの近道になります。

簡単なストレッチの方法は、首をゆっくりと前後左右に倒したり回したりする、肩から両腕を上に伸ばし横に倒す、腕を前に伸ばし上体を腰からひねる、上体を前後に倒し背筋を伸ばす、座って足を抱える、片足ずつ膝をお腹につける、等です。

眠る前の運動ポイント

激しい運動は絶対に避ける
体に負荷を与えず、ほぐすだけにする
呼吸や脈拍が乱れない程度にする
筋トレやダイエット目的の運動は別の時間に
体が温まりすぎないようにする

Comments are closed.

A sample text widget

Etiam pulvinar consectetur dolor sed malesuada. Ut convallis euismod dolor nec pretium. Nunc ut tristique massa.

Nam sodales mi vitae dolor ullamcorper et vulputate enim accumsan. Morbi orci magna, tincidunt vitae molestie nec, molestie at mi. Nulla nulla lorem, suscipit in posuere in, interdum non magna.